Episode10-女王








! 警告 !
この先、主人公xヒーロー複数の性描写があります!
恋愛はガチンコ勝負じゃなきゃ(笑)! って方は(むしろそれが正解)
お引き返して下さいませ。


 ノープロブレム! むしろそれを待っていた! なオトコマエな方は、ずずずいっと スクロールし、X編改め女王編をお楽しみ下さいv














 いつまでも黙り込んだままのあたしに、周囲がざわめき出した。
 今更……迷っているのだろうか。
 そう考え、そんな状況じゃないのに、ふっと笑い出したくなる。

 あたしは迷いを捨てる様に、勢いよく立ち上がり、女王を見据えた。いくら母が反対しても、この答えを譲る気はない。諦めないという意志を視線 に込めて、あたしはきっぱりと言い切った。

「私は誰も選びません」
 一瞬周囲がシンと静まり返った。痛いと思う程の視線が背中に突き刺さる。

 昨日のカナの言葉。
 脳裏に浮かんだのは、ナゼル、エリス、そしてセーヴォト三人だった。順番な んて付けられない。いつだって三人一緒だった。 三人が側にいて、 それぞれ違う方法で支えてくれたから 弱音を吐く事無く、ここまで来れたのだ。
 こんな曖昧な気持ちで誰か一人を選ぶと言う事は、 残りの二人を切り捨てると言う事。
 そうなったらあたしは、選んだ人の隣で きっと選べなかった二人の事を思う のだろう。
 恋愛なのか、親愛なのか、あるいはそのどち らもなのか分からない。
 けどそうなったら選んだ相手にも、悲しい思いをさせる 。
 ……それなら、最初から一人がいい。

 それが、あたしが出した結論だった。

 女王の目が細く眇められる。ゴクリと息を飲む音が聞 こえる位、周囲は静まり返ったままだ。
 女王はゆっくりと顎に手を置き、 少し顔を傾けたかと思うと優雅に微笑んだ。 それは久し振りに見た、とても満足気な微笑みだった。
 ……何……?
 あたしはその微笑み意味を掴み兼ねて、 傍らに立つヨルダに視線を送る。そんなあたしに ヨルダはただ、穏やかに微笑むだけだ。

「なるほど……では、私が決めていいという事だな」
 一呼吸置いてそう言った女王の言葉は、 珍しく隠し切れない喜びが滲んでいた。

 ……はい?
 告げられた言葉が理解出来なくて、あたし は真意を探ろうと睨む様に女王を凝 視した。バサリと扇を広げ、女王は鮮やか な紅を差した口元を被い隠すと高らかに声を張り上げた。
「お前が伴侶を選べなければ、私が決めると言ったでしょう。 ダ リア・フィーリア・ルノッケシアに命じます。ナゼル、エリス、セーヴォト三人 それぞれ婚姻を結びなさい」
「――さ、さんにん……?」
 唐突に告げられた言葉に、あたしは思わず口の中で反芻する。
 ……ちょっと何言ってるのよ、この人は……。
 言うに事かいて三人だなんて一体何考えてるの。 そもそもなんで母様が決めるのよ。そんな事一言も……っ
「……」
 聞いてないわよっ、と噛み付きかけたあたしの背中に冷たい汗が流れた。

『選ばなければ私が決める。その時になって嫌だと言っても聞く耳は持たないからな』
 ……確かに、聞いた気がする。
 でっでもあれって、あたしが誰か 選ぶ様にけしかける為の言葉じゃなかったの!? しかも言うに事かいて三人だなんて!
「わ、悪い冗談はよして」
 下さい、と続けようとしたあたしの言葉をヨルダが遮った。
「我が国の王家は元々一妻多夫制です。それはご存知でしょうダリア様」
 ヨルダには珍しくにーっこりと笑ってそう断言する。
「でも、それは……」
 確かにヨルダの言う通り、王家は元々一妻多夫制だ。 けれどそれは大昔の事で 、現女王である母様は勿論の事、 先代だって先々代だって夫は一人だった。だか らあたしだって当然の様に、伴侶は一人だと思っていた。

「しかし女王それではリデア家の面目が」
「同時に婚姻など前代未聞ですぞ」
 黙り込んだあたしに代わって、居並ぶ高官達からそんな声が飛ぶ。

 当たり前だ。ナゼルはともかくとして、魔導師協会の会長の実弟であるセーヴ ォトや名門貴族の筆頭であるリデル家が許す筈が無い。
「黙りなさい。本人達がいいと言っているのよ……家の者には自ら説明するわよ 、ねぇ?」
 謁見中だと言うのに、気やすい口調で女王はそう言って笑った。その視線が真 っ直ぐ後ろに注がれている。
 そこには件の三人の姿があった。

 少し呆れた様なナゼルと、
 不機嫌を顔いっぱいに表してるエリス、
 いつもと同じ穏やかな笑みを浮かべたセーヴォトだった。

 混乱したまま振り返り、それぞれの顔を見ると、三人が三人、苦笑した様に表 情を崩した。
「喜んでお受け致します」
 まるで代表する様にセーヴォトが一歩前に出て、そう答える。

「ダリア、三日休みをあげましょう。その間に第一夫君を決めなさい。あとは第 二でも第三でも愛人でも好きな様に」

 ざわめきを置き去りにして、女王は静かにその場を後にした。







2008.2.21更新




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