Episode15-XXX




「どうだ? 初めての男の味は?」
 自然に四つん這いになった体の下、ナゼルが口の端を釣り上げて、まだ誰も触 れてないその奥に指を伸ばし、溢れた そこの周囲を丁寧に撫でる。
「っんん……ッ」
 強い刺激に、握り込んだ手に力が篭もる。 あたしの目の前にいたエリスが、く ぐもった悲鳴を上げると、セーヴォトは困っ た様に小さく笑った。
「私の時は歯は立てないで下さいね。……そう、 そろそろ口の中に……いいですよ」
 ナゼルの指も同じ様に、ゆっくりと奥に入 り込んでくる。体の奥を開かれる痛 みを感じないのは媚薬のせいか、シーツに 零れる程溢れさせている愛液のせいか ――。ナゼルに触れられてる場所がどうなって るのか、想像すらしたくなくて、 あたしはセーヴォトの言葉だけを聞 いて何も考えずに ただ言う通りに手や口を動 かしていた。
「っあ……っ」
 目の前のエリスのものに集中したいの に、這い回るナゼルの手にいちいち 体が反応して、手が止まってしまう。
「さすがにキツけど、……姫さんココすげぇ イイ感じだな」
 ナゼルの指がぐるりと掻き回し、お腹の下を 強く擦り上げた。
「ひゃ、あんッ」
 飛んでいってしまいそうな刺激に思 わず口を離して喘ぐと、エリスが小さく呻き 何かに耐える様にきつく目を閉じた。
「……っダリア」
「お口が動いていませんよ? このままではエリス様が可哀 想です」
 セーヴォトは出来の悪い生徒に諭す様な口調でそう言って 、エリスのものを咥えたあたしの唇を撫でた。
 苦しそうなエリスの表情に、 あたしはのろのろと動きを再開させる。チ ラリと見上げたエリスはあたしと目が 合うと、複雑な表情をして一瞬眉を顰めたけど、 すぐに手が伸びてきて、ぎこちなく頭を撫でてくれた。
「気持ち……いい?」
 そう口に出して問い掛け ると、エリスは少し驚いた様に目を 見開き、それから耳 まで真っ赤にさせながらも小さく頷いてくれた。 いつになく素直なエリスに嬉しくなって 、あたしはセーヴォトの指示通り、 舌や手を精一杯動かす。
「ああ、そんなに頬張って…… 随分美味しい様ですね」
 その脇でセーヴォトはあ たしの髪を優しく梳きながら、 囁きを落としていく。
「そう……先端を優しく撫でて、 舌で裏側を丁寧に舐めて下さい……ああ、お上手 ですよ」
 握り込んだソレは、 どんどん熱くなってくる。
 反応が返ってくる度に同じ所に舌 を這わせると、エリスが辛そうに……だけど 気持ち良さそうに喉を鳴らした。
「……っう……」
 ビクビクと小刻みに震えていた ものが、大きく反り返る。潤み切ったトロンと した目であたしを見下ろすエリスは 、すごく艶めいて色っぽく女の子みたいだ。 堪らなく可愛くて愛しさが込み上げる。
「は……ッもう出る……っ」
 息も絶え絶えに熱い吐息 を吐き出すエリスに、セーヴォトが片眉を吊り上げた 。
「もう限界ですか」
 咎める口調にエリスはバツが悪そうに 顔を背けると、ナゼルが苦笑いして口を挟んだ。
「無茶言うなよ。初めてなのに好きな 女にこんなやらしい事されて保つかよ」
 ナゼルのフォローにセーヴォトは小 さな溜め息をつくと、チラリとエリスを見 てからあたしに囁いた。
「……仕方無いですね。もう少し色 々教込みたかったんですけど……では、ダリ ア様全部飲んで下さいね。零したらお仕置きですよ?」
「ば……っ、何言ってやがるっ離せバカっ」
 セーヴォトの言葉に顔色を変え、 慌てて腰を引いたエリスの肩を、セーヴォトが 片手でやすやすと押さえ込んだ。
「っこの馬鹿力っ」
 抵抗をものともせず、セーヴォトはあ たしを見下ろすと、強い視線で続ける様に促す。
「そう、指を動かしながら強く吸って……」
「っぁ……ッ」
 先端を咥え込んだの瞬間、 エリスの身体がブルッと大きく震えたかと思うと、 喉の奥に熱いものが弾けた。
「……ッん」
 それをあたしは、少しの違和感と共にごくりと飲み下した。
「ん……」
 多分鼻につくであろう匂いは、甘ったるい果実のようで。
 ……?
 その味は、カナに聞いていたのと随分違う。
 不思議に思って首を傾げると、セーヴォト はあたしの口元に残ったエリスのも のを指で掬い取り、そのまま口に含むと赤い舌でぺろりと嘗めた。
「美味しいでしょう? あの薬に は味覚を変える成分も入っているんですよ」
 そう言ってセーヴォトはあたしに口付ける。
 暫く口付けを繰り返すと、唾液で流されて口の中の 甘いあの味は薄まっていく。そしてああ、と納得した。 セーヴォトもあたしに口移しで飲ませた時、 飲んだ事になるのか。
「では、そろそろこちらの方でも味わってみますか?」
 さっきナゼルによって押し開かれた場所に、 セーヴォトの細い指が入り込む。もうド ロドロのそこは何かを待つみたいに、 収縮を繰り返していた。
 その様子に満足気に眉を寄せて、 セーヴォトは膝を割る。いつの間にか脱いでいたらしい 下半身をその場所に押し当てた。
「ゆっくり入れますからね? 痛かったら教えて下さい」

「……ッん……ッあ……っあ」
 ゆっくりと押し開かれる痛みは、 圧迫感程気にはならない。その瞬間と言うの はとても痛いものだと教えて貰ったのに、 微かな疼痛はそれすら快感に変わった。けれど、 確かに身体を裂かれる感触に、本能的な恐怖を感じ あたしはセーヴォトの腕にしがみ付いた。
「大丈夫ですか……?」
 労る声はどこまでも優しく、 あたしはその優しさに答えたくて、顔を顰めながらも こくんと頷いた。
「っ……」
 全てが収まると、待ち焦がれた様に中が きゅうっと締まるのが分かる。
 ……ああ、きっとずっとこれを待っていた。 欠けた所を補って一つになる快感と幸 福感に満たされる。
 セーヴォトの手が胸の先端に伸び、 ぷっくりと膨らんで充血したそれを優しく優しく 撫で上げて、首筋に唇を落とすと、 つっと耳元へ上がっていた。
「んッ……ッあ」
 飴玉をしゃぶるみたいに耳朶を嘗められ 、燻っていた快感がまた顔を出し始め る。蠢く舌はそのまま耳の中に入り込み、 水音が上がる度に、あたしは小刻みに身体を揺 らした。
「ひゃ、んんッ」
「これで私が貴女の最初の男、ですね?」
 確認するようにゆっくりと一言一言区切ってあたしに問い掛ける。
 眇められた瞳に、ああ、だから第一夫なのか、とナゼルの言葉もエリスの悔し そうな表情の理由が分かった。どうせ今日するんだから、たかだか数時間の差だ ろうに、こんな事に拘るなんて、男って分からない。
「……いいですよ。ドロドロに溢れてるのに、吸い付いてくる……」
「はっ……あッ、やんッ」
「ホラ、ここお好きでしょう?」
 慣れたようにセーヴォトは太ももを抱え上げ大きく足を開き、お腹の下をズン ズンと突き上げる。
「あッんンッ」
「ほら、気持ちいいって言ってごらんなさい」
 胸の膨らみを揉み込まれ、腰を大きく回され促されるまでも無く 自然と言葉が溢れてくる。
「……き、もち……いい……ッは、……ッ」
 熱に浮かされた様にセーヴォトの言葉を反芻する。 額に掛かった銀の細い髪を かきあげてセーヴォトは満足そうに微笑んだ。
「素直ないい子には、ご褒美をあげましょうね」
 胸の先端を弄くっていた手が、下に下りてあたしの手を取る。
「ほら自分でも擦ってご覧なさい。もっとずっと気持ち良くなれますから……ね ?」
「ぅ……んっ」
 促されるままさ突起を上下に擦る。あたしの中 から溢れたそれのせいで滑りすぎて、 震える手じゃ上手く出来ない。もどかしくて 強請る様に腰を揺らすと、セーヴォトが すぅっと目を細めて口を開いた。
「そんな顔されては仕方ありませんね」
 セーヴォトの指があたしの指に添えられ、 少し強めに擦り始める。
 繋がっているその場所も弄られている場所も、 同じリズムで攻められて、頭の 中がどろどろに溶けて流されてしまいそうだ。
 凶悪な程押し寄せる快感が恐ろしくて、 あたしはセーヴォトの首に縋りついた。
「刺激が強すぎましたか? そんなに がっちりと掴まれては動けませんよ」
「……っも、……怖い……ッ」
「大丈夫ですよ。こちらで達する 方が気持ちいいのですから」
 ねっとりと快感だけを追い上げる様にセーヴォトの腰が動く。お腹の下、弱い 所を何度も突き上げられ、自分までどこか遠くにいってしまいそう。

「っ……愛してます」
 くっと喉の奥で呻いてセーヴォトはあたしの中で弾けた。
「ひ、っああんッ」
 その熱さに釣られるように頭の中が白くなる。先程と比べようが無い程激しい 波があたしを飲み込んでさらっていった。

 小さな吐息を一つだけ零したセーヴォトと正反対に、あたしは激しすぎる波に ただ荒い息を繰り返していた。心臓が煩いくらい鼓動を刻んで 重い身体を投げ出すようにそのままぐったりと横たわる。
「有難うございました……ダリア」
 恋人にするみたいに優しく髪を梳い て自身を引き抜くと、あたしの前から離れ た。

「さぁどうぞ。次はエリス様ですよ」
「……いつのまに順番が決まったんだよ」
「麗しき師弟愛でしょう?」
 非難を含んだナゼルの視線に、セーヴォトは肩をすくめ、さらっとそれを避け た。
「こんな所で仕返しかよ……」
 つまりはそういう事らしい。ナゼルはちっと舌打ちして、じっと立ち尽くして あたしを見つめているエリスの肩を押した。
「じゃあ、……ダリア、その、入れるぞ?」
 もの凄く今更だけど、そう尋ねてくれるエリスの誠実さが愛しい。
 膝に手を掛けて、エリスがあたしの顔を覗き込んでくる。  まだ達したばかりの余韻を引き摺っていたあたしは指一本動かせず、頭だけでうん、 と頷いた。今更断られるとでも思っていたのだろうか、エリスはほっとした様に 幾らか表情を緩め、すっかり硬さを取り戻したらしいそれを押し当て、ゆっくりと入って来た。
「ん……ンッ」
 一度セーヴォトを受け入れたそこは、エ リスのものも難なく受け入れた。
「……っう、わ」
 上擦ったエリスの声に、セーヴォトはく すりと声を立てて笑う。
「心地良いでしょう?」
 聞こえていないのか。セーヴォトの囁く様な問いには答えず、 エリスは熱に浮かされた様にあたしの 名前を呼びながら、腰を振り始めた。

「ダリア、好きだ……ッずっと好きだった……ッ」
「……ッあ、っエリ……ス……んッ」
 同じ様に名前を呼んで縋りつくと、ますます動きが激しくなる。
 何度も擦られ熱が生まれ、また何かが駆け上がってくる。 何度目かの絶頂の予感に 体が自然中を締め上げた。
「ンぁ、あっあっ、は、ンッ」
「駄目だ、も、出る……ッ」
 ぶるっと大きく震えたエリスの体に、 あたしは固く閉じていた瞼を押し上げた 。
「ッや、……だ……ッめ、ぇ……」
 胎内に吐き出されたそれが、引き抜かれた拍 子にこぽりと零れ、太腿に流れた。
 流れ落ちるその感触に身を捩る。
「……は……ッ……ぁ」
 達しきれなかった切なさに、体がガクガクと小刻みに揺れる。
 もう少し、あと少しで高みに昇れた筈なのに。 もっと揺らして突き上げて欲しい、――なんて、 言える訳も無かった。
 だってそれじゃ、どうしようも無い淫乱みたいだ。
 目をぎゅっと閉じてそれをやり過ごそうとすると、 剥き出しの肩に誰かの唇が 触れた。
「お可哀相にダリア様」
 慰める様に優しく背中を撫でてくれたのはセーヴォト。多分酷い顔をしているあ たしを見て気付いたのだろうエリスが慌てた様に声を上げた。
「……えッ!? うわ、ごめんっ……も、一回」
「待て待て」
 エリスを押しのけのそりと立ち上がったのはナゼルだ。
「タイミング位計ってやれよ。なぁ姫さん?」
 ぐ、とエリスが言葉に詰まる。まだ呼吸が整っていないエリスの肩をナゼルは 軽く叩いた。
「まぁでも、おいしいシチュエーションをありがとよ」
 いつのまにか涙が滲んでいたらしいあたしの目元を指先でそっと拭う。
「……欲しい、か?」
 小刻みに震えるあたしの身体を、ナゼルは欲情に濡れた目で見下ろしていた。
 つ、とお腹の下の辺りを擦られて、びくんっと体が震える。あたしは最後の羞 恥心もかき捨てて、ぶんぶんと大きく頷いた。狂ってしまいそうな程熱いこの熱 を今すぐどうにかして欲しかった。
「じゃあ、言ってくれよ? 誰のが欲しいんだ?」
「……ッナゼル……ッぅ欲しい、よ……ッ」
 その言葉にナゼルが満足そうに笑い、あたしの腰を掴みうつ伏せにした。そし てその場所に熱く猛るモノを押し付けてくる。
「濡れすぎて滑っちまうな」
 そう笑ってワザと外して突起を擦り上げる。
「入れてほしかったら四つん這いになって、俺によく見せてくれ よ」
「ッ、……ッ」
 どうしてこんなに意地悪なんだろう。早く何とかして欲しいのに。
 あたしは唇を噛み締めて、ナゼルに向かって膝を立てた。そして突き出す様に お尻を高く上げるたその瞬間、捻じ込む様にナゼルのものが押し入ってきた。
「ッは、ぁ……んんんッ」
 待ち望んでいた感触に、身体の奥が 痺れて一気に肌が粟立つ。
「ひゃ、待、……ッって、は…ッあ、……ッ」
「待てるかよ。欲しかったんだろ? コレが」
 大きな塊は中を押し開いて、その奥へと目指していった。
 圧迫感にすら慣れてきた自分の身体が恨めしい。これ以上乱れたくない あたしの心を裏切って身体は貪欲に、次から次へとやってくる快感 を取り込もうとする。
「ッ締まる、な」
「男と狂わせる天性の身体でしょう?」
「……だな」
 再奥まで辿りつくとそのままゆっくりと 中を掻き回す様に動かされ、こぽ っと中からナゼルとエリスの残滓が溢れて太腿を伝っていく。
「んッあ……は……ッくぅ」
 気持ち良くって、もうおかしくなりそうだった。
 ナゼルはまたぎりぎりまで引き抜くと、 また奥まで一気に突き入れる。
 腰に当てられた手に力が篭り、 そこも同じ速度で揺らされた。胸や唇に絡む指 や手は、セーヴォトのものなか エリスのものなのか分からない。
「妬けますね……今度は私にも可愛らしくねだって下さい」
 下半身に手を伸ばし、突起を強く擦り上げる。
「セーヴォ……ト」
 もう、あたしの意識が考える事を放棄した。
「ッんッあ、やッんんッ!」
「……ッく」
 一際大きく突き上げられ、あたしは呆気なくそのまま意識を飛ばした。








2008.2.28更新




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